現代思想用語である「economy(エコノミー)」についての解説メモ。
現代思想の文献で頻出する「economy」という語。バルト・デリダetc...。これをどのように捉えたら良いのだろうか。
昔は存在しなかった語である。16,17世紀の古典主義時代に誕生した。当時は、「受け取ったり、手渡したりする行為一般」をエコノミーと読んでいた。会話を交換したり、モノを交換したりetc...
エコノミーという言葉が使われる条件は、その交換のような行為が「秩序だったルールに基づいた行為である」ということだった。すなわち、「何らかの秩序だったもの*1を媒介にした交換」がエコノミーと呼ばれた。
19世紀、エコノミーという語は経済学に吸収された。エコノミーという語が持っていた「意味」は「貨幣」に、「秩序」は「市場」に、「交換」は「金銭交換」に吸収された。
しかし、この語が(あらためて)19世紀より前の意味で用いられることがよくある。これが現代思想(ポストモダン)コンテクストで登場する場合の「エコノミー」の意味なのではないか。
*1:記号である場合もあるだろう。