残されたるは文体の試論のみであろうか

上記の川端康成に関連して、哲学者内山節が講義で語った文章論を。

レポートの評価に関して

  1. 自分の視点でそのテーマを論じ切れているかどうか
  2. 文章に力があるかどうか=そのテーマに本気かどうか
    • これは文章のうまい下手とは別
  3. 文章のうまさ
    • 評価の順 1>2>3

その他

  • 自分の書きたいことがはっきり読者に伝わるような文章かどうか
  • その人でしか書けない仕方で書いているか

論文について

  • 論文→約束にもとづいて書く
  • 約束→哲学的(あるいは常識的)に定義された概念
  • 自分オリジナルの意味で単語(概念)を用いる場合はきちんとその中身(定義)を明記すること

散文について

  • 散文→文体を重んじる(ex.エッセー、小説、詩など)
  • エッセイ
    • 自分の表現したい世界を書くのにふさわしい文体を試みる
    • 思想の表現形式として最後に残るのは文体の試みである

  (その文体を用いなければ表現できない、という場所での試み)

  • 「文体自体の試論」へ

文章のリズムについて

  • 「その人の歩行速度と文章のリズムは一致する」
    • リズムの人為的な調整で、読者に与える印象を調整せよ
    • リズムそのものに中身を語らせる試みをせよ

文体の試論へ向かう前に、すべき作業が山ほどあるという哀しき現実。社会構成主義?知るか。「哀しき」という言葉を発し真実を失った私よ、そこにいろ。