阪大人間科学部 菅野 盾樹 http://www33.ocn.ne.jp/~homosignificans/newpage2.htm

1) 人間にとって最古の問いを新たに問うには、現代の人間科学(人類学、認知心理学記号論など)の知見に学びつつ考察を進めねばならない。人間科学研究科における哲学研究の意義は、人間科学とのこのリエゾン(結合・つながり・連声)を条件とする。この見地から挙げられた成果の一端には、認知心理学、認知意味論、人類学とのリエゾンによる「カテゴリー論」、社会学や人類学とのリエゾンによる「いじめの研究」、記号論言語学とのリエゾンによる「メタファー研究」、「レトリック研究」など(以上、菅野)、〈私〉の構造をなす無意識の考察など(檜垣)があり、これらの主題についてはなお研究を続行中である。

3) 古来の人間学は、人間のありのままの姿を捉えるという認識の問いであると同時に人間の生き方について訊ねる倫理の問いでもあった。しかるに、現代の知的状況は人間に関する知識の専門化と断片化に陥っている。人間学はこの状況を克服する努力を惜しんではならない。当分野では、人間の行為の分析、現代フランス哲学における倫理思想、自然主義倫理学の研究などを推進している

ある意味森岡正博流の「生命学」に近いものだろうか。「ひとり学際」。ダン・スペルベルの訳書ではいつもお世話になってます。というより、interdisciplineはやはり「<知>のコーディネーター」という役割に終始するのだろうか。認知負荷的に現代のダヴィンチは成立し得ない。のか?