人間の性差は、短期的な関係において最も顕著にあらわれる

  • 男性→短期的なセックスのコストはほとんどない。しかし中・長期的な関係(ex.付き合う・結婚する)となると、コストは劇的に増大する。したがって、メスに対するえり好みが、男性においても激しくなる。
  • 女性は妊娠のコストが大きいので、短期的なセックスを好まず、男性をはげしくえり好みするはずだ。
  • 長期的な関係の相手を選ぶ段になると、男性と女性の好みは、よく一致するようになる。
  • 関係が深くなるとは、子どもを持とうと思うときである。性淘汰は、ちょっとしたセックスを楽しむときに働いている恋人選びを通じてではなく、実際に子供を作るときに働いている恋人選びを通じて作用するのだ。
  • 男性の配偶者選択があらわされるのは、ワンナイトラブではなく、長期的な関係を確立しようかどうかを決めるときである。だからこそ、女性の性的な競争は、望ましい相手との長期的な関係を確立することに対する競争なのであり、なるべく多くの男性と性的関係を持つことに対する競争ではないのである。

きわめて納得のいく説明ではないだろうか。

  • 人間の子どもの大部分は、長期的な性関係の元で生まれたと考えて良いだろう。霊長類において「長期的」とは、少なくとも数ヶ月にわたる安定した関係である。
  • 性淘汰は、実際に子供を作ることに対する競争となっているのだ。

恋人選びの心―性淘汰と人間性の進化 (1)
ジェフリー・F.ミラー

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