アイデンティティからネイションを斬るために

ナショナル・アイデンティティ論の現在―現代世界を読み解くために

中谷 猛, 高橋 秀寿, 川上 勉


Amazonで詳しく見る4771014256

「文化」なんてものは存在しない。実体をもたない。「心」と同様である。あくまでそれは便宜上仮定された概念である。とすれば「文化」という概念を解体し、ひとつひとつ内実を炙り出していく必要がある。むしろ「文化」という言葉は極力使うべきではない。「文化」解体の強力なアプローチの一つに、「アイデンティティ」から斬るという方法がある。もちろん「アイデンティティ」なんてのもあくまで構成概念なのだが、この論集は必ず目を通しておきたい一冊だ。ナショナルな感情は自己規定に他ならないのだから。ちなみにこれは社会学ナショナリズムゼミで知ったもの。

文化人類学はとことん文化を解体せねばならない。できれば裸の人類学の地平に行き着くところまで。