アヴェロンの野生児―新訳 ヴィクトールの発達と教育
J.M.G.イタール, 中野 善達, 松田 清

 南フランスで捉えられた「アヴェロンの野生児」は1800年パリに連れてこられた。人間とまったく触れ合わず野生の森で育った少年。人間との触れ合いがないまま育つと、何がどうなってしまうのか?近年アメリカで「地下室で育った少年」が発見されたらしいが、情報を知っている方はぜひご教授ください。この本、記述はどこまで信用できるのだろう。

  • 教育→耳が母音を聞き分け始めた→彼も喜びの様子
  • 味覚感覚の発達→おいしい、がわかるように
  • 記憶力はのびてゆく
  • ものと記号との関係を徐々に理解
  • 涙が出ることによって、情動を安定させることができた
  • ものを見てものの名前をいうとき、厳密に違いを見すぎて、困惑してしまった。たとえば本の大きさや色の違いに固執、など。じきに克服。
  • 大きいなどの抽象的概念や動詞も理解していった
  • 聴覚はほとんど発展せず。喋れない
  • 「公正さ」の心情も身に着けていった→社会秩序の理解へ
  • 女性に対する無関心、でも暴力的に女を押しのける、何かに恐れている?
  • 感情は、深い利己心に従属してしまいやすい
  • 結論:「教育がもたらすもの大」