anthropology

 組織論について、おっと思わせるpdfいくつか

これは力作というか、教科書というか。SINTEF Industrial Management "Safety and Reliability" http://www.sintef.no/content/page1____5292.aspx Organisational Accidents and Resilient Organisations: Five Perspectives (組織の事故と弾力性ある組織…

 ダーウィン以後

ダーウィン死後は凋落の一途をたどった進化論。自然選択理論が支持されていたというよりも、 現象としての進化とその唯物論的・進歩的な解釈という「周辺部分」のみが、ドーナツのように残されることになった。かくして、19世紀末から20世紀にかけて、社会進…

 ダーウィン

1858年、リンネ学会で、同時期に同様の理論に思い至ったウォレスと共に発表。1859年、『種の起源』を出版。ちなみにダーウィン理論の大枠は1838年には決まっていたらしいが。

 ダーウィン以前

どうも○○学ってのがごっちゃになってしまうので、佐倉統さん流のまとめかたを叩き台にしてみるテスツ。 進化論の歴史的な変遷は、他のすべての科学と同様、キリスト教と密接な関係にあった。 18世紀の時代思想がまずあった。18世紀の西洋生物学とは、自然=…

 文化は各個人がもっているものなの?

久々に文化人類学らしく。素晴らしく豊かな、浜本満さんの論を自分で消化するための引用+少々考察エントリー。引用部以外は浜本さんの論ではなく、私の稚拙な考えなので誤解なきよう。 http://anthropology.soc.hit-u.ac.jp/~hamamoto/lecture/2004w/1.html…

 日本語が使える質的データ分析ソフト発売!

http://www.atlasti.com/atlasti5.shtml だそうです。

 世界システム論と文化人類学

http://www.let.kumamoto-u.ac.jp/cs/cu/000524moder.html

 文化人類学とは何か

フィールドワークに重きをおいたアプローチ。 眼前で展開される人々の生が不可解に見え、そこに自分が自明として理解するものとは異なる自明性と常識の世界があると思われれば、そこがフィールドとなる。(『文化人類学キーワード』pp.2-3) 「未開」社会だ…

 emicとetic――文化人類学は「人々の心理状態にできる限り接近することによって彼らを理解しようとする試み」るのか?

id:jounoさんご指摘の<エミック/エティック>の対比は、言語学者K.パイクの<音素的な記述/音声的な記述>の対比に由来しますが、エミックな視点からの文化研究は、個別文化の内側から見て意味ある概念を見出そうとし、エティックな視点からは、どのよう…

 社会学と文化人類学のの差異

とある教授に「社会学と文化人類学の違いはどこにあると考えるか?」と尋ねたところ、 「社会学は、ある研究対象に対して、まずかちっとした分析枠組みを立て*1、その中で整合性をはかりながらしらみつぶしのように研究を行っていく。モダンな方法が用いられ…

 「文化」の分類・解釈・体系化を試みる文化人類学

とはいえ、収集・保存だけではなく、「文化」に対する何らかの分類や解釈、体系化が行われるのが通例です。最も広範囲に用いられている方法は「比較」です。ひとつは機能主義や構造主義に代表される通文化的比較、もうひとつは歴史人類学に代表される通時的…

 文化人類学が表象するもの――博物館学的側面

http://d.hatena.ne.jp/Gen/comment?date=20040721#cでのid:ecritsさんの 文化人類学者のやろうとしていることは、「未開」の人々の生活を近代西洋的な概念で読み解いていくことなのか、それとも彼らの心理状態にできる限り接近することによって彼らを理解し…

 ナラティヴ・セラピーとフィールドワーク

臨床心理筋や社会学の物語論筋の方には有名なナラティヴ・セラピー。定番の一冊『ナラティヴ・セラピーの世界』を以前読んだことがあったんですが、今集中講義で行われている「フィールドワーク再考」という授業で、ナラティヴ・セラピーとフィールドワーク…

 「文化」概念の検討

http://www.let.kumamoto-u.ac.jp/cs/cu/def-cul.html 「心脳問題」なるものが生じるのは、「心」という言葉/概念が、それに対応する確固たる実体を持たないからでしょう。厳密に脳科学的に「心」という構成概念を定義すれば、「心とは脳である」という立場…

 「開発人類学再考」玉置泰明(『文化人類学のフロンティア』所収)

潜在能力(capability)とは、ある人が選択できる一連の代替的な機能(functioning)の集合と定義される。機能は人びとがもっている能力が発揮された状態を指す。そして貧困とは基礎的潜在能力の剥奪(状態)であり、潜在能力の拡大こそが開発(ないし公共政…

 「都市に生きる人のための都市人類学」和崎春日(『文化人類学のフロンティア』所収)

あまり強調されてこなかったが、文化人類学のなかで都市人類学が登場したそのときから、全体的に自己完結する閉じられた民族誌を超えた、「開かれたシステム」「自己完結しない系」と取り組む「開かれた民族誌」が目指されたといえる。(p.66) フローとして…

 「神話の構造」、『構造人類学』(レヴィ=ストロース著)所収

構造主義のいう<構造>とはすなわち、一見混沌に見えるものの中から二項対立(対立関係)をたくさん発見し*1、そのたくさんの二項対立を徐々により大きな単位の二項対立でまとめ上げてゆく作業により発見されるものであろう。徐々に有限個の対立関係に置き…

 「真正さの水準」

参考:『レヴィ=ストロース入門』(小田亮)、『構造人類学』(ストロース)所収の「社会科学における人類学の位置および人類学の教育が喚起する諸問題」 真正な社会の様式 身体的な相互性を含む<顔>のみえる関係における多元的なコミュニケーション 全体…

 『構造人類学』(レヴィ=ストロース)所収 「象徴的効果」

「[シャーマニズムの]治療は、したがって、はじめは感情的な言葉で与えられる状況を思考可能なものにし、肉体が耐えることを拒む苦痛を、精神にとっては受け入れうるものとすることにある。シャーマンの神話が客観的現実に照応しないということは、たいした…

 『構造人類学』(レヴィ=ストロース)所収 「呪術師とその呪術」

シャーマンを構成する3つの要素 シャーマン自身の経験、患者の経験、公衆の経験 シャーマニズムのふたつの極 シャーマンの内的経験←→集団合意 シャーマニズムは、実は、異質で得体の知れないものを集団の物語の中に統合するパフォーマティヴな作業であるこ…

デリダの『グラマトロジーについて』におけるレヴィ=ストロース批判の恣意性

デリダは、レヴィ=ストロースの記述を、無垢で善良な小規模の共同体、そのあらゆる成員が直接に透明な音声言語で語りかけあっている平和で非暴力的なミクロ社会に、策略と背信によって外部から(すなわち西洋から)、文字が搾取の道具として暴力的にもたら…

SUHARTO, WITCHES (James T. Siegel, Indonesia71,April 2001)

要約=レジュメhttp://genxx.com/wiki/pukiwiki.php?plugin=attach&pcmd=open&file=%CA%B8%B2%BD%BF%CD%CE%E0%B3%D8%C7%F2%C0%D0%A5%BC%A5%DF.doc&refer=Genxx.wiki%2A つまり人が言葉を失ったとき、暴力が導入されざるを得ないということか。「実証」はでき…

「言語の性質」ソシュール著、伊藤晃訳

言語記号は物と名を結合させるのではなくて、概念と音響心像を結合させる。この音響心像は、純粋に物理的な物としての単なる音ではなくて、音の心的な印象、音が我々の感覚に与える印象である。(中略)言語の中の語をわれわれは音響心像と見なすのだから、…

AM I PKI OR NON-PKI? ,Pipit Rochijat, translated by Ben Anderson.

一般言語学 ロマーン ヤーコブソン, Roman Jakobson, 田村 すゞ子, 長嶋 善郎, 村崎 恭子, 中野 直子, 川本 茂雄なぜか倫理学研究室からお借りしました。ソファで煙草ふかしてた坊主みたいなおっさんが怖かったなあ。倫理。

機能主義人類学の頂点

高地ビルマの政治体系E・R・リーチ , 関本 照夫いや凄いわこれは。ゼミ終わってからメモするか。

 Pramoedya Ananta Toer著(ベネディクト・アンダーソン英訳) REVENGE 

『想像の共同体』でお馴染みのBen. Andersonが訳した小説。原文はインドネシア語。1945に日本軍が降伏後、インドネシアは独立を得るためにオランダ軍などと戦った。その際に国内におけるナショナリズムが狂気的な仕方で発動されたことも多々あった。その一部…

表象は感染する―文化への自然主義的アプローチダン スペルベル, Dan Sperber, 菅野 盾樹タイトル訳が巧みだなあ。「Expanding Culture: a naturalistic approach」を「表象は感染する」か。これで表象文化のお客さんもゲッツってか。まさかな。そもそもダン…

ヌアー族―ナイル系一民族の生業形態と政治制度の調査記録E.E.エヴァンズ=プリチャード , 向井 元子文化人類学の古典的名著。粘り強い洞察に満ちていてとても面白い。アフリカのヌアー族に対するエスノグラフィー。1940年刊行。 技術水準の低さ→社会的連帯の…

浜本満HP(http://anthropology.soc.hit-u.ac.jp/~hamamoto/research/fragmentary/)より印象部分を抜粋メモ。検討はおいおいじっくりと。 もし本当に使い方がばらばらで、「文化」という言葉によって指されているものがその都度違っているのだとすれば、大…